多くの方が感じるであろう顧客応対の現場の実務上の疑問に、メンバーの経験と知識でお答えしています。

【回答1】『お客様は私に怒っているのではなく、困っている』と考えよう

この仕事を始めると誰もがクレームの対応に戸惑います。

特に大声で怒鳴られて怖い思いをすることもあると思います。
仕事とは言え、どうして自分がこんな目にあわないといけないのか、
先を考えると、どんどん不安が募ると思います。

こんな時、こう考えてみではどうでしょうか。

『お客様は私に怒っているのではなく、困っている』

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そう、私に助けを求めているのだと。

苛立ちの感情が先だっているだけなのです。


お客様の気持ちを理解することから始めましょう。
でも、中には理不尽な要求や中傷を繰り返すクレーマと呼ばれる方がいますよね。
クレーマには組織対応が必須ですが、
自分自身はこのような心構えを持ってみればどうでしょうか。

『これが私の商売だ』

プロとして、クレーマ対応を自身の商売として割り切ることです。

何を言われても聞くのが商売として割り切ることができれば、不安は軽減できるはずです。

【回答2】「自分の不安」と「他者の不安」を明確に分けよう

そもそも物事そのものに「不安」という感情が付いているわけでは
ありません。

同じ仕事をしていても、不安の感じ方は人それぞれです。
不安という気持ちを持つことで起こるいい面もあります。
不安に思う理由が何か?ということが大切です。

その理由が対策の取れるものであれば対策をとる、
周りに不安である旨を相談する、などの方法が有効です。
担当する仕事を初めて行う場合は、ベテランの人に確認して
もらえば、感じていた不安をミス軽減に繋げられます。

応対者から見て「不安に思う」仕事である、例えばご立腹のお客様に
会社の事情を説明してご理解を求める、などの仕事の際、不安を感じる
方は多いのではないでしょうか。

この場合組織の一員として対応しているのであって、自分ひとりで
その不安を一身に背負わず組織として対応する、という視点が大切です。

お客様からのお申し出の背後には組織としての課題が潜んでいます。
つい、「自分が上手く応対すれば解決するのでは?」という心理が働き
ますが、組織としての対応を期待されているお客様の立場から考えると
最善ではありません。

 ただ、組織も完ぺきではないため、お客様の期待に完ぺきに答えること
は現実として難しいです。その中で、最善を尽くした、自分として納得の
ゆく提案ができるよう、日々研鑽に励むことが応対者ができる不安解消策
と言えるでしょう。
 
 もう一つ、お客様の不安を解消して差し上げたい、
 という気持ちを持つことがあると思います。

 お客様のお気持ちをこちらの思い通りに変えることはできません。

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 お客様の不安を払拭する努力を組織として取り組むことで、結果として
お客様の不安が解消される方向に進めていくしかありません。

 不安はとかく実態が見えず曖昧な面があります。

 応対者の不安は上記のように組織やお客様の不安を肩代わりしている場合も
ありますが、明確に自分の感情とは分けて考えるとよいでしょう。

【回答3】自分の『土地鑑』に自信を持とう。

Wikipediaによれば、

「土地鑑とは、ある一定の範囲の地域における地形や地理、道路の構造、家屋・建物の配置、さらには生活習慣などについての知識が、直接の経験を通して身についていることを指す。」

Wikipediaより引用

とあります。

私が言う、広い意味での土地鑑は、

「知識が、直接の経験を通して身についていること」です。

「頭の中の抽斗(引き出し)」と呼ぶ人もいます。

暮らしていた、あるいは旅行や仕事で行ったことがある場所、日常的に興味を持って取り組んでいる運動や趣味、のめり込んだ音楽や物語、好きな食べ物や飲み物、それらが手に入る場所、等々。

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お客様対応では、これらの土地鑑がお客様との共有情報になって、見ず知らずのお客様との距離が一気に縮まるように感じます。

声だけのお客様の背後に、情景が見えてきます。
この土地鑑は、生きてきた年数分、誰にでもあります。

足りないと思う分は、これから身に着ければよいのです。

たまたま同じ土地鑑を持つお客様と出会ったら、ラッキーと考えましょう。

お客様対応の不安と向き合う時、自分の土地鑑に自信を持ちましょう。

自分の常識を信じましょう。

【回答4】お客様の真意を汲み取ることに集中しよう。

「誰も本当の私の不安や疑問や怒りをわかってくれない!」

からスタートする、苦情を申し出たお客様の気持ちに寄り添うことが苦情解決のスタートであり、

この第一歩を間違えないことが重要である。

「社長を出せ」、「上司に変われ」、「責任者を出せ」

と言っていたお客様が、

「君の応対に感動した」、「よく私の言いたいことを理解してくれた」、「あなたに任せた」

という言葉をいただけるようになる喜びが、

企業の窓口であるお客様相談室の働きがいになる。

難しいことは何もない。

ただ 申し出たお客様の真意を汲み取ることに集中してみましょう。