多くの方が感じるであろう顧客応対の現場の実務上の疑問に、メンバーの経験と知識でお答えしています。

【回答1】手順を踏んだうえで行動する事が大切。

営業の仕事で、得意先から「今すぐ来てくれないか?」と言われれば、商売上の繋がりもあり、訪問することは度々あった。

但し、お客様相談室の消費者対応で「今すぐ来い」という言葉は、いわゆる「クレーム」がほとんどであり、どのような理由でそう発言しているのかわからず訪問すると、訪問前の事前準備が出来ておらず、2次クレームに繋がる場合や、悪質なクレームに引っ掛かる場合がある。
自分も、お客様相談室に配属になった1年目に、お客様から「今すぐ〇〇駅まで来い!〇〇で待っている!〇〇時までに来い!」と言われ、気もあせっていたので当時の上司に「とにかく行ってきます」と説明し、訪問した経験がある。

上司はその時、おそらくこのお客様は「怪しい」「危険」を察知していたと思うが、これも経験ということで、私ともう一人で〇〇駅に行くことになった。

指定の時間に遅れたが、指定の場所に行ったところ、そこには居なかった。「違う場所かも」と思い、いくつかの場所を覗いて見たがそれらしき人物は居なかった。お客様の電話に架電するも全く繋がらず、1時間ほど待っていたが会うことはできず、会社に戻った。

会社の同僚の話しでは、自分たちが移動している間、お客様から何度か位置確認の問い合わせが入っていたとのことだった。
その後、何度かお客様の電話番号に架電したが、「電波が届かない」「電源が入っていない」などの理由で、繋がらなかった。

「遊ばれた」のだ。悪質なクレームに引っ掛かったのだった。

この経験から、同じような問い合わせがあった場合、先ずは訪問催促の理由を必ず確認することが大事であることがわかった。

また、理由を教えてくれない限り、会社の決まりとしてお伺いすることはできないことを、ハッキリ言うことだ。

それと、訪問する場合は防衛の観点から、必ず2人以上で動くことを学んだ。

【回答2】調査の時間を貰った上で訪問する。

経験が浅かった時
電話でのやり取りがエキサイトし収拾がつかなくなった。

対面で話を聞くことで状況を打開しようと、すでに夜になっていたが、40キロメートル先の自宅に訪問することにした。
むしろ自分は逃げない担当者であることを誇示したかったのかもしれない。

今なら
「今すぐ来い」と言われないようにまず対応する。

初動段階で
共感しながら話を聞く。
・不満足感情を包み込むような姿勢を示す。自分も精神状態も冷静にする。
・不快な気持ちにさせていることに対する謝罪をする。
「今すぐ来い」と言われても原則としては訪問しない
・まず、相手の要求内容を確認する
 →質的な要求な何か、金銭的、再発防止、謝罪文、、
 →量的な要求は、どこまで
クレーム内容の特定
・具体的な事実関係を把握する。
・そのうえで、調査の時間をもらう。
・調査のうえ回答を後日行うことを伝える。この時は訪問することを提案する。
 →面談を優先する。次に電話。メールでの回答はしない。

必要な調査等準備を行った上で、訪問する事を提案しよう。

【回答3】お客様応対の基本手順を押さえよう

※別途担当者がお客様と対応しているケースでの手順

ご心配をおかけしている事をお詫びする
直接お客様応対している担当者には、弊社の製品またはサービスでご心配をおかけしていることを、丁重にお詫びするよう伝えます。
情報収集の上、改めてご連絡する旨お伝えする。
その上で、弊社として直接お詫びに伺うことは致していないことを伝えます。
製品やサービスでご迷惑をお掛けした内容、事実関係などをお聞きした上、改めて会社としての対応をご連絡する旨を伝えます。
「3現主義」に従って調査を進める。
・一旦はお時間を頂戴し通話を切った上で、発生した申し出内容の事実関係、時系列を精査します。
お客様の申し出に事実と異なる点はないか、申し出内容を裏付ける帳票類は確認できるか。当該商品・サービスは特定できるかなど、取引の「3現主義」(現場現物現象)に従って社内調査を複数人数で行った上で、会社としての正式回答を用意します。
十分検討の上回答します。必要に応じて訪問対応します。
会社としての回答を、応接した担当者から改めてお伝えするか、またはエスカレーションして、上長よりお返事するかを検討の上、最終回答とします。

その際、本件発生についての顧客の心情を充分に汲み、事実確認が出来たならば、顧客の指定先へも2人以上の複数人数で出向き対応に当たることになります。


上記対応は応接上の不慮の事故を防ぐための基本手順となります。

必ず会社として判断は、即答を避け、複数人数で検討したうえ、

一旦時間をおいたのちに回答をするようにしましょう。