このページでは、研究会メンバーが実際に取り組んだ、お客様からの声を社内で共有・発信する体制創りについて紹介します。
お客様との応対時や作業の中で多くの気付きやひらめきがあると思います。
でも、「目立ってしまう」「張り切っているように思われるのが恥ずかしい」「こんな月並みなこと、わざわざ自分が発信するまでもない」と、心のポケットに仕舞いこんでいませんか?
あなたの勤め先でお客様と接している従業員は、どの位いるでしょうか。
お客様の意見を拝聴できる機会は、実は、皆さんが感じている以上に希少なものです。
これはよく言われている事ですが、お客様の声の中に改善のヒントが隠れているのです。ですから、そのヒントを留め置くのは、とても勿体ないことです。
ですから、是非、勇気を持って伝えてみましょう。
情報発信のしやすさは、企業の風土と仕組みによって大きな差があります。
あなたの勤め先は、組織としてお客様の声を集積し活用されていますか?
また、小さな気づきを大切にする企業風土が醸成されていますか?
残念ながら、そのどちらでもない場合、自分で主体的に動いていかなくてはなりません。
ファーストペンギンには緊張がつきものです。
最初のうちは、周囲も情報を受けることに慣れてない上、こちらの緊張も伝わって、「?」が飛び交いグダグダなミーティングになることもあるでしょう。
私は、当初、これはと思う提案をどんどんしていきましたが、思うような結果は得られませんでした。
そこで、戦略を見直し、まず、この2つをイメージして進めていく事に
しました。
- 社員が喜んでくれそうな事。
- お客様が喜んでくれそうな事。
当初、一大事と思ったものから提案していったのですが、人為的なミスや商品の欠陥等、「人に知られたくない」恥部を表ざたにすること自体が不慣れな職場環境では、まず、表ざたになる事でギョッとされてしまい、周囲の抵抗が強くなってしまいました。
硬化した心で人は受容できませんので、どんな良いアイディアを提案しても頓挫してしまいます。その点、人を喜ばす行為は素敵な事ですから、
反対勢力が現れません。
反対する人がいないので、提案が次々に実行されていきます。
私のお勧めは「従業員が喜んでくれそうな事」から始める事です。
その中でも、半径5メートルの仲間の為のもの、近いほどいいです。
改善案は、自分だけでなく周囲の負担も軽減します。それは、有形・無形で
あなたに働きやすさを呼び込みます。
次に、「喜んで貰えそうな事」の中でも、社員のやりがいにつながる事に着手していきましょう。
私の場合、応対したお客様から頂いた喜びのお手紙や、素晴らしい応対で
お褒めの言葉を頂いた店舗スタッフを月次で紹介していく活動をはじめました。
この活動は、読み手の社員も、取り上げられているスタッフも、嬉しそうで
私どもも、本社にいながら、いろんな地域のスタッフと仲良くなれるので、
良い取り組みでした。
このように耳触りの良い発信から始め、段階的に慣れてもらい、顧客からのメッセージに興味と感心を持ってもらいました。
こうした流れを作ったおかげで、ようやく、お客様からのお申し出(商品や
サービスのクレーム)の希望者への日報と週報の自動配信に、駒を進めていく事ができました。
大切な事は、上手くいかなくてもポジティブに受け止めること。日々の業務の中で改善を考える癖をつけること。そして、提案し続けることだと思います。
長く続けていくうちに、協力してくれる人や共感してくれる人は必ず増えていきます。
一緒にがんばりましょう。