お盆で帰省のために新幹線に乗りました。たった2時間弱の乗車でも、さまざまな人に出会います。

たとえば、お一人目…。
前の席に座った方が、後ろの私に、「座席倒してもいいですか?」「どうぞ、どうぞ。」を答える私に、その方は遠慮がちに座席を倒しました。「もっと倒しても、全然大丈夫ですよ〜。」と心の中でつぶやきながら、なんだかとってもいい気分の私。
さて、お次の方。
私の席は、一番後ろ。席の後ろに隙間があります。そこに男性が大きめのスーツケースを置いていました。彼が降りる時に、ちょっとした事件発生…。彼がスーツケースを隙間から出す時に、思いっきり私の座席にそれをぶつけたのです。
ガン!!と激しい音がして、座席が揺れ、うとうとしていた私はかる〜くムチ打ち状態に…。しかし、彼は何事もなかったように扉の外に…。
「あのぅ〜。私、ここにいるんですけどぉ〜。」

私の母は、新幹線でお弁当を食べる時、お隣の人に必ず声をかけるらしいです。 「お隣でお弁当食べていいですか?」
「だって、自分の隣で知らない人が黙々とお弁当食べるのって、あんまりいい気しないじゃない?においも気になるしね。」と、母。
「それにね、この間は、荷物を置いている人に声をかけて席を空けてもらったから、ちょっと嫌な顔されてね。う〜、食べにくい。と思ったけど、いつもと同じように声をかけてからお弁当をいただいたら、先に降りたその人が、席を立つ時に、"失礼します"って…。なんか楽しくなっちゃった。」

人って自分の存在を無視されると悔しいし、寂しい。怒りたくもなる。でも、反対にその存在を大切にされると他の人にも優しくできる。

「ありがとう」「ごめんなさい」「お先にどうぞ」…

ちょっとだけ、他の人を大切にすることで、幸福の連鎖はできていく。テレビで、新聞で、有識者はいろいろと難しいことを言うけれど、社会の大問題の根本も、こんなところにあるのでは?と昨今のニュースを見ていて思います。

とりあえず、"一声運動"始めようと思います。



column 050
幸せの連鎖
内山 理恵
Home ColumnTop