先日、消費生活アドバイザーの更新講座を受講しました。会場で昔の知り合いにあったり、 会社の人にあったり、毎年受講していますが、とても懐かしい場であったりします。

アドバイザーになってちょうど10年経ちました。この10年は会社も自分にもいろいろなことがありました。アドバイザーになり、会社で事件が起こって、まったくお客様との接点のない部署から消費者対応部門へ異動。 全国のお客様相談室の一本化とお客様センターの立ち上げ、分社化やリストラ。辞めていった同期や同僚の挨拶メールは未だに消去できず、自戒の意味でも時折眺めています。
仕事以外では主婦をやめて、趣味の歌も復活して、小学生だった子供は高校生に。
自分ではそんなに変わった気がしませんが、写真を見ると....。(重力には勝てません)

さて、この10年、私はアドバイザーとして何をしてきたのでしょう?
消費生活アドバイザーは消費者と企業のパイプ役を期待されています。
消費者対応部署に配属になり、「お客様の声」を伝えるよう努力をするとともに、よりよいお客様対応とは?なぜ企業と消費者の間でボタンの掛け違いがおこるのか、等々勉強してきました。
職種によっては10年選手といえばベテランの域に入りますが、私はまだまだ満足のいくお客様対応はできません。パイプ役になるには、お互いの主張(クレーム)を理解しなくてはなりません。しかし、いいたいことはわかるけれど、何故そこまで絶対の自信をもってメーカーのせいだと断言できるのかが理解できない、ということが最近は多くなってきました。

先日もエスカレーションを受けて、がっつりやりあってしまいました。
「....ですから、最初に開封されたときはなんでもなくて、後でそうなったのであれば、お客様の保管状況によるものです」
「お前それを証明して見せろ!」
「証明もなにも、そういった状況になるのは世間一般的に.....」
「社長を出せ!」  「出せません」
「専務を出せ」  「出せません」
「バカヤロー!、ふざけるなっ」
「バカヤローとおっしゃる方とはお話を続けられません」
「お前、○×△※〜!!」
「・・・? おっしゃっていることがよくわかりません」
「お前なんだ!?」  「私は責任者です」
うまく、冷静になってもらって話してもらうようにできればいいんですけど....。
10年もやっていてこれかぁ、と自分でも情けなくなります。

20年後はどうしているのか、いくらなんでももうちょっとましになっているだろうと楽観したり、今とまったく進歩していなかったらどうしましょう、と心配したり。
鬼が笑うどころか、あきれるような未来を思いつつ、今日も「声」の分析をしています。



column 049
アドバイザー取得10年を迎えて
星 真理子
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