毎日のように家族の誰かにダイレクトメールが届く。特に新学期を迎えるこの時期、中学生と高校生の子ども宛に様々な塾からのが案内が多く届き、中には結婚式の招待状のようなりっぱなものまであって驚かされる。

これまでDMが届くたび、役に立ちそうな資料があればその部分だけを抜き取って、宛名の部分を剥がして古紙回収へと回し、毎月熱心に届く某塾へは受け取りを辞退する旨を書いた紙を封筒に貼り付けてポストに再投函した事もあったのだが、懲りずに(失礼!)届いていた(紙にハンコを押す事が肝心だとか・・・)。

そして先月、塾のDMの多さに辟易し、送付を停止してくれるよう電話する事にした。

封筒に小さく書かれている連絡先はほとんどがフリーダイヤル、合計5社に電話をかけた。実は、今月からの個人情報保護法の施行を目前に控え、企業の窓口がどんな対応をするのか興味津々だったのだが、塾によってかなり対応が違い、同じく電話での相談業務に就く者として勉強になった。

〜A塾との電話〜

私「DMを止めていただきたいので電話しました」

係「はい・・・では封筒にある番号を教えていただけますか」(急に少し緊張したような声)

私「どの番号を言えばいいですか」(名前から聞かないんだと思いながら)

係「少々お待ちください・・・(保留)、お待たせしました。名前の下にある数字です」

私「2つ書いてあるんですが、アルファベットが付いているほうですか」

係「少々お待ちください・・・(保留)、では・・・電話番号を教えてください」

私「え、電話番号ですか?」

係「少々お待ちくださいっ!(保留)」

しばらくして上司らしき男性に替わり、会員からの問合せと担当者が間違えたと詫びられ、住所氏名を聞かれやり直し・・・ 

B塾との電話〜

私「DMを止めていただきたいので電話しました」

係「ご迷惑をおかけし申し訳ございません。それでは封筒のお名前の下にある19から始まる9桁の数字と、念のためお名前も頂戴してよろしいでしょうか」(流れるような口調)

私「19△△・・・です」

係「ありがとうございます。早速お手続きさせていただきます。なお申し訳ございませんが、すでに発送手続に入っておりますご案内が届いてしまう可能性もございますが、その際はお許しくださいませ。○○が承りました。ご連絡ありがとうございました。」

う〜ん、完璧!と思わずうなり、B塾に対する好感度は200%アップ。一方A塾はテレビでよく観るだけにガッカリ。そしてあくる日、私は職場で早速それをおしゃべりした・・・。
たった1本の電話で会社に対する印象がこうも変わるなんて!(そしてそのうわさは確実に広まるのだ。)電話窓口は会社の顔という言葉を改めて思い出し、電話をかけてきた人に安心感を与え、会社の信頼性を高める対応とはどうあるべきか考えさせられる出来事になった。

さあ4月、滑舌を良くしてがんばらなくては!

column 027
DM止めてと電話をしたら
鈴木 昭子 第19期消費生活アドバイザー
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